【今なら無料】町田康「ギケイキ 千年の流転」を読んだ感想

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デビュー20周年の大作「ギケイキ」

 

読みたい本があっても最近は節約の為に図書館で借りてすます事が多いけれど、お金を払ってでも直ぐに読みたくなるのが町田康の新刊。

過去にはこんなランキングを作るくらい好きな作家の一人。

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そんな町田康のデビューから20周年の記念すべき大作として発売された「ギケイキ 千年の流転」を書店で見つけてしまい早速購入、あっという間に読んだので感想を書くよ。

あらすじ

 

町田康のお話ってあらすじが説明しにくい。

このギケイキも元は室町時代に作られたと言われる「義経記」がベースにされているので、源義経とその主従を中心に書いた軍記物語になるんだけど、語り部である義経はハルク・ホーガンを知ってるし、たとえ話として現代の株式市場を例に出してみたり、膝の痛みに「煌潤」とか登場人物が言っちゃうし、今昔が混ざっているのでいちいち注釈が必要になってしまう。

そこが、一つの魅力であり面白いところでもあるのも確かなんだけどね。

公式サイトで紹介されているあらすじもこの通り。

かつてハルク・ホーガンという人気レスラーが居たが私など、その名を聞くたびにハルク判官と瞬間的に頭の中で変換してしまう。というと、それはおまえが自分に執着しているからだろう。と言う人があるけど、そんなこたあ、ない。
私ほど自分に執着しない人間はないと思う。つか、執着のしようがなかった。私は生まれてすぐに父に棄てられた。……

私の名前は源義経。父は京都でそこそこの地位にあってけっこう偉かったのだが、平清盛という人に負け、斬り殺された。父の名は、そう、義朝。母は常盤という名前で、極度に美しかった。
七歳の年、私は母に鞍馬山に連れていかれる。殺されないためには仕方なかった。
寺では顔も頭もサイコーやんけじゃんと噂された私だが、十五の秋からおかしくなった。心のなかに、謀反の志が芽生えていた。
あれから千年ちかくの時が流れた。
どんなことをしても眠れないこんな夜は、どうしても思い出してしまう。思い出せば語りたくなる。
私は、私の物語を、語ろうと思う──。

Web河出より

いつもの語り口でファンは安心。

とりあえず、義経が自分がたどってきた足跡をひたすら語っていくというお話になっている。

ギケイキの魅力

 

実はこのギケイキ、物語はこの一冊で終わりではなく「全四巻」発売予定で、現在雑誌「文藝」で連載中。

僕は知らなかったので途中から「あれ?どうやってまとめるんだろう」と思って最後に到達しちゃった。裏表紙を見てなかったら気付かなかったかもしれない。約350ページの単行本が4冊という事だから文字通り大作だね。

話は途中で終わる形になっているけれど、町田康小説の魅力は十分に堪能できる。

たまに、町田康の世界についていけなくて、途中でぽつんと残されてしまった「この世のメドレー」(あくまでも個人的に)とかあるけれど、名作と言われる「告白」のように一気にぐいぐいと引っ張られる勢いがこの本にもあった。

最早おなじみの

・リアルだけどどこかあっさりとした印象を受ける暴力描写

・感情や思考、現代語、古語、方言、英語がごちゃまぜになった口語体

・大抵の登場人物が碌な人ではなく最後には必ず儚く散る

ところなどなど、一度体験してしまうと癖になる「町田康ワールド」は随所に。

さすが詩人でパンクロッカーですわ。

歴史物はふだん読まない人にもおすすめで、この口語体や物語の面白さ、途中殺陣を思わせる様な戦闘のシーンに引っ張られ飽きずに読む事ができる。

なんていうか、水戸黄門を見ているような、興味のない時代劇ベースなんだけど娯楽性が高いという感じかな。

町田康の本と宗教

 

この本では登場人物が良く祈る。

文中にも、「当時は今と違って神仏の力は存在していた」と義経が言っているけれど、町田康の本には良く、神仏の力としか言いようがないような現象が度々起こる。

もちろん、そのような現象は話を盛り上げるのにとても役に立つし、そういうシーンを挿入するだけで印象的に残るのでわざとやっているのかもしれない。ただ、いろんな話で度々出てくるので、町田康自身が何かそういう大きな力を感じている時があるのかなぁと勝手に憶測してしまう。

そういう意味でも非常に突飛な終わり方をした「パンク侍、斬られて候」になるのか、史実に基づいた淡々とした話になるのか、ラストが非常に楽しみ。

歴史の教科書は町田康が書くべき

 

とりあえず、ギケイキを読んで一番に思った事は

「歴史ってこんなに面白いのかぁ」

という事。多分「義経記」なんて普通に生きてたら絶対に読んでないだろうし、授業でも詳しい内容について触れる事はないと思う。

ただ、語り部である義経が、今の時代の言葉を借りて語る様子はめちゃくちゃ面白くて、笑える。それでいて、昔の言葉で調べたくなるような美しい言葉が出てきたり、さすが作家さんだなぁと思える様な言葉も使われていて歴史に興味がどんどん湧いてくる。

戦争ものとか何でも通用するけれど、特に歴史物は町田康が書いた教科書なんかがあったら最高なのになぁ。

文体のリズム感とかも良いので歴史だけじゃなくて、国語も好きになるはず。

もちろん、解説本としてだけどね。

まとめ。今なら第四回まで無料で読めるよ!

 

という訳で、ギケイキ、かなりおすすめ。

まだ連載中という事で全てが出てから一気読みしたいという人もいると思うけど、先に読んでしまっても、次が待ち遠しくなる楽しみが得られるので問題なし。

現在、Web河出から第四回まで試し読みできるみたいなのでぜひどうぞ!

【4日連続公開】町田康『ギケイキ』試し読み 第1回

web河出より

元の義経記を読んでいれば読み比べる楽しさがあると思うけど、きっと飽きてしまいそうなのでギケイキで楽しむ事にしようっと。

それでは最後に…

平家、マジでいってこます!!

お後が宜しいようで!

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